安岡先生はおっしゃっている。徳川時代が300年近い平和と統一を守ることが出来た背景には対外的には鎖国政策であり、国内的には江戸の中央政府と地方の二百六十余藩による分権政治により田舎侍がいたことで、頽廃、堕落、破滅することがなかった。もし、江戸幕府の中央政府だけだったら百年も持たなかったであろう。都にいる江戸侍などは非常に早く頽廃堕落したことであろう・・・と。
今、明治維新より140年。終戦後60年。中央集権政治による様々な疲弊がそこかしこに溢れている。栄枯盛衰。歴史は繰り返す。地方を回ると今の日本の姿が垣間見える。地方の素朴さ、これは素晴らしいのに、予算という名前による容赦ない開発で自然の破壊は当然のごとくになっている。便利さの追求、これが本当に人間の目指すところなのであろうか?それにはっきりと疑問を唱えている地方はまだ見当たらない。
現代の世を選んで生まれてきた我々は現世で何をすべきか?生まれてきた目的は自己の意識体を成長させるために行動し挑戦していくことだが、その為に誰と、どこで、何をするのか、が重要になる。どの道を選ぶのか、それは本人の決めることだが、その基準をどこに置くかで現世での生き方は変わる。