黒蝶真珠、白蝶真珠、アコヤ真珠全部で300個の穴あけが完了しました。
この真珠たちが、多くの皆さんのもとに行く事を楽しみにしています(^_-)-☆
ところで、日本の文献で真珠のことが書かれているのは、和銅5(712)年に完成した現存する最古の歴史書【古事記】まで遡ります。
神代篇日向三代のくだり、海幸山幸の段において山幸が釣り針を探しにわだつみの宮、すなわち竜宮城にて三年を過ごした後、地上に戻ってきたところを身篭って追いかけてきた豊玉姫が、子を産むに当たって見ないでと言うのに山幸に見られてしまい竜宮城に帰ってしまったのだけれど、産んだ子が心配で妹に世話をさせるために地上に向かわせた時に読んだ歌にあり、
阿加陀麻波(赤玉は)
袁佐閉比迦礼杼(緒さへ光れど)
斯良多麻能(白玉の)
岐美何余曽比斯(君が装し)
多布斗久阿理祁理(貴くありけり)
赤い珠は、それが結ばれている緒さえ光って見えるほど美しいけど、
白玉の真珠のような貴方の姿は、さらにとても尊いものでした、と。
岐都登理(沖つ鳥)
加毛度久斯麻邇(鴨どく島に)
和賀韋泥斯(我が率寝(ゐね)し)
伊毛波和須禮士(妹(いも)は忘れじ)
余能許登碁登邇(世の事毎に)
鴨がいっぱいいる島で、私が一緒に寝たあなたのことは、私が生きている限り忘れない。
と山幸が答えたとあります。
ちなみにこの絵は青木繁が明治40年に描いた重要文化財に指定されている
「わだつみのいろこの宮」
久留米の石橋美術館で原画を見たときにしびれるような感覚があった絵です。
この場面は古事記に出てくる、山幸が海に出て、いろこの宮の前に生えるカツラの木に座っていたところで豊玉姫と出会ったところ。
彼女は後光さす高貴な彼に一目見て
恋に落ちてしまう訳ですね。
真珠とは当時から光り輝く高貴なものとしてとらえられていたのですね。