せっかく伊勢まで来たので真珠の大卸さんに顔を出しました。
そこで見つけたレアもの。
今では幻と言えるアコヤ真珠無調色ホワイトナチュラルパール。
無調色ホワイトナチュラルとは、海から浜あげしたアコヤ貝から採れた真珠を、なんの処理も脱色もしていない正真正銘の本物。
普通は浜あげした後、様々な処理をして、白やピンクのテリの良い珠に仕上げています。
この珠は一切なにもしていない。
なぜそう言えるのか?
いまでは引退された養殖真珠生産者の奥さんから直接手に入れたモノだから。
養殖業者さんは、その年に採れた真珠の中でもトッピンと言えるモノは市場に出さずタンスに大事にしまっておくのだそうです。その珠がたまたま出て来たのです。
この珠達は某大手真珠会社も欲しがった垂涎モノといいます。
なかなか出ない希少価値のひとつは、真珠層の巻きの厚さ。
1.5mmはあろうかというこの巻きでこのテリは、巻きが1mm以下の花球と比べてもまったく遜色ない品質です。
いまでは通常のアコヤ真珠は1年立たずにあげてしまうため、巻きの厚さは0.5mmもないのがほとんど。
ヨーロッパでは、そんな巻きの薄いモノは真珠とは言わないとされはじめている所以です。
そんななか、なぜ幻と言えるか?
実はこの珠は宇和島遊子産のモノ。
遊子といえば、少し前まで越しモノ養殖による巻きの良さとテリ、希少本数で大変人気のあった珠で、日本一と言われていました。
でも、いまでは良質のモノがなかなかあがらなくなってしまったと聞きます。
この珠はその奥さんが過去何年もかけて貯めてきたその年その年の逸品。
ましてや肩穴も空いていないアコヤ真珠など、なかなかありません。無処理なので穴を開けてしまうと酸化して品質が劣化してしまうのだそうです。
この珠を大卸さんに譲ったあと、彼女は残念ながら亡くなってしまいました。
そんな思い入れのあるバージン珠をどこかの会場で是非見にきて下さいね(^O^)/

