孫子の兵法【離間の計】

2011/02/04 2:16:42

テーマ:孫子の兵法

「親しきもの」を仲違いさせ、「主従」を離反させ、「伴侶」を離別させる一番の方法は、そのどちらかに疑心暗鬼をもたらす情報を与えること

「親しきもの」ならば、相手が裏切ろうとしていると告げる

「主従」ならば、相手が敵方と内通していると告げる

「伴侶」ならば、相手が他の異性と密会密通していると告げる

一度ではなく数度、一人ではなく複数の人からそのようなことを告げられた時、どれほどお互いを信じ合うと誓った者同士でも心の中に疑心が湧いてくる

その時に決定的な証拠を見せ付けられたなら、お互いが話し合う場もなく完全に袂を分かつ決断をする

これこそが古来人間を思うように操った孫子の兵法のひとつ【離間の計】

現代でも、これに類する行動は後を絶たない

政治、社会、企業、組織、家庭、友達関係、果ては小学生のグループ決めにまで通用する

その理由は様々で損得勘定、競争心、妬み、嫉み、嫉妬、敵対心、囲い込み、羨望、怨み、憎しみ、猜疑心等々、魑魅魍魎が跋扈する様

ただし、策を弄するものは策に溺れ、必ずや身の破滅を招くのは世の常

因果応報とは、始めの因の出所がこのようなところであれば、結果は必ずそこに戻るということ

そのスピードは恐ろしいほど速く、自らの身に現れるのが現代

この【離間の計】を防ぐ唯一の方法は、お互いが心の底から言葉に出して話し合うこと

その言葉を信じることが出来れば、周りからの声は雑音に過ぎない

辛卯一発目の話題は、このブログでは初めての、人間の暗の部分のお話でした

実はこの辛卯という年は、この様に突拍子もないコトが起こる暗示の年なんです

だからこそ、大切なのはお互いのコミュニケーション、キャッチボールですよ

何かあったらココロを開いて話し合うコト(^O^)/

ちなみに【孫子】始計篇にある原文と読み下し文は以下のとおり

その内の離間とは「親而離之」の部分を示します

兵者詭道也、故能而示之不能、用而示之不用、近而示之遠、遠而示之近、利而誘之、亂而取之、實而備之、強而避之、怒而撓之、卑而驕之、佚而勞之、親而離之、攻其無備、出其不意、此兵家之勢、不可先傳也

兵とは詭道(きどう)なり。ゆえに能(のう)なるもこれに不能を示し、用(よう)なるもこれに不用を示し、近くともこれに遠きを示し、遠くともこれに近きを示し、利(り)にしてこれを誘い、乱(らん)にしてこれを取り、実(じつ)にしてこれに備え、強(きょう)にしてこれを避け、怒(ど)にしてこれを撓(みだ)し、卑(ひ)にしてこれを驕(おご)らせ、佚(いつ)にしてこれを労し、親(しん)にしてこれを離す。その無備(むび)を攻め、その不意に出(い)ず。これ兵家の勢(せい)、先(さき)には伝うべからざるなり。